腰椎椎間板ヘルニアとは
背骨は小さな骨が縦に積みあがってできていて、背骨の間には椎間板というクッションがあります。腰椎間板ヘルニアは、腰部分の椎間板が本来の位置から飛び出して神経を圧迫している状態で、激しい痛みやしびれが主な症状です。若年層に起こる坐骨神経痛は、多くが腰椎間板ヘルニアによって起こっています。
腰は立っている時も、座っている時も上半身の重みを受けているため負担が大きく、ダメージが蓄積しやすい場所です。椎間板ヘルニアでは、椎間板が変形するだけでなく、弾力を失って断裂することもあります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因
加齢、姿勢の悪さ、負担が大きい動作の反復や作業などが主な原因で腰椎間板ヘルニアは起こります。喫煙が発症リスクを上げることもわかっています。
腰椎椎間板ヘルニアの症状
飛び出している椎間板の位置、圧迫されている神経により、症状が変わります。また、症状が現れる場所も異なってきます。最も多いのは、第4腰椎と第5腰椎の間の椎間板に起こるヘルニアです。
主な症状
- 痛み
- しびれ
- 特定の足指に力が入らない
- 足首がうまく動かないなど
第4腰椎と第5腰椎の間の椎間板ヘルニアの症状
お尻から大腿横、膝下、すねの外側に痛みやしびれが起こりやすい傾向があります。
下肢の脱力、排尿・排便障害などが起こることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアの検査と治療
検査
お話をうかがってから、脚の感覚などを調べる下肢伸展挙上試験などの検査を行います。下肢伸展挙上試験は、膝を伸ばしたまま脚を上に挙げる検査です。
レントゲン撮影を行って診断を確定します。なお、痛みやしびれなどの症状がない場合、レントゲンで椎間板が飛び出ていることが確認されても治療の必要はありません。
治療
一般的な治療では、基本的に安静やサポーター装着、痛み止め内服薬や湿布の処方を行い、症状が重く日常に悪影響が及ぶ場合には飛び出た部分を切り取る手術が必要になります。
当院ではペインクリニックの診察を行っているため、ブロック注射の治療も可能です。圧迫されている神経の周囲に直接、麻酔薬を注入できるため、痛みや炎症を抑える効果が高く、興奮して過敏になっている神経を落ち着かせる効果も期待できます。これにより、過敏になった神経が繰り返し痛みを生じさせないよう抑制に導くことが可能になります。
当院では、ブロック注射で痛みが軽減してきたら、正しい姿勢を楽に取れるようにする運動療法の指導もしっかり行って再発をできるだけ防ぐようにしています。痛みやしびれといったお悩みがありましたら、1度いらしてください。