三叉神経痛(顔面神経痛)とは
三叉神経は顔にある神経で、得た情報を脳に送っています。額から目、上あご、下あごと3つに枝分かれしているため、この名前になっています。三叉神経に異常が起こると、痛みなどの症状現れる三叉神経痛を起こします。発症が多いのは、40歳以上の女性が多く、女性は男性の約2倍の頻度で発症すると報告されています。三叉神経痛の痛みは激しいことが多く、「針でつつかれる」「電流が流れる」と形容されることがあります。顔は敏感な場所ですし、意識を他に向けることも難しいため、強い痛みがあると精神的な負担も大きくなり、日常生活に大きな悪影響を及ぼします。
三叉神経痛(顔面神経痛)の症状
顔面片側の強い痛み | 痛みの持続時間は、数秒~数十秒であることが多く、3分以上痛みが続く場合は他の疾患が疑われます。 |
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痛みが起こりやすい場所 | 頬からあご |
顔の表情(動作)によって痛みが誘発されるケースもあります。特定の場所を指で圧迫すると痛みが起こることもあります。
三叉神経痛(顔面神経痛)の原因
特発性三叉神経痛
脳に原因があるとされています。
症候性三叉神経痛
血管などによって三叉神経が圧迫されて起こります。脳神経外科による手術で血管の位置修正やクッション挿入などで改善する可能性がありますが、効果が現れないこともあります。
帯状疱疹後三叉神経痛
帯状疱疹が三叉神経に現れることで起こります。帯状疱疹の湿疹が消えた後に強い痛みが残ることがあります。
三叉神経痛(顔面神経痛)の検査と治療
問診でお話をじっくりうかがいます。帯状疱疹の可能性がある場合には、血液検査でウイルス抗体の有無を調べます。
一般的な治療では、神経痛に効果のある抗てんかん薬の「カルバマゼピン」、神経障害性疼痛の治療薬「プレガバリン」などによる薬物療法を行います。血管が三叉神経を圧迫している場合、脳神経外科手術を検討する場合もあります。
当院ではペインクリニックの診察を行っているため、神経の周囲に直接、麻酔薬を注入できるブロック注射の治療も可能です。保険診療ですし、痛みや炎症を抑える効果が高く、興奮して過敏になっている神経を落ち着かせて過敏になった神経が繰り返し痛みを生じさせないよう抑制に導くことも可能です。
神経は繰り返しダメージを受けると破壊されてしまう可能性があります。痛みに気付いたら早めに受診して適切な治療を受け、余計なダメージを蓄積させないようにしてください。