三叉神経痛の原因とは?症状を引き起こすメカニズムと医療機関での対策
顔面に突然走る激しい痛みに、不安を感じていませんか。
三叉神経痛は、顔の特定の部位に突発的な激痛が生じ、日常生活に大きな影響を及ぼす神経痛の一種です。
顔の痛みが続くと、「どの医療機関に相談すればいいのか」と迷われる方も多いでしょう。
本記事では、三叉神経痛の原因やメカニズム、治療法について詳しく解説し、適切な診療を受けるための情報をお届けします。
大阪にお住まいで、三叉神経痛が気になる方は、中村AJペインクリニックへお気軽にご相談ください。
三叉神経痛とは?
三叉神経痛は、顔に激しい痛みが生じる疾患で顔面神経痛とも呼ばれています。
この神経痛は、主に「針で刺されるような痛み」や「電流が流れるような感覚」といった特徴的な痛みを引き起こし、顔面の特定の部位に突然現れることが多いです。
三叉神経は、「額から目」「上あご」「下あご」の三つに枝分かれしているため、「三叉(さんさ)神経」と呼ばれています。
この神経に異常が発生すると、顔の神経が過敏になり、強い痛みが発生することがあるのです。
詳しい症状について
三叉神経痛の症状は、顔面の片側に突発的に生じる激しい痛みが特徴です。
痛みは、電撃が走るような感覚や針で刺されるような鋭い痛み、びりびりとした感覚であらわれることが多く、一般的には数秒から数十秒程度で治まります。
しかし、発作が頻繁に繰り返されると、持続して痛みを感じるように錯覚されることがあります。
痛みが起こりやすい部位としては、特に頬からあごにかけての範囲です。
三叉神経が3つの枝に分かれているため、1~2本の枝が主に痛みを引き起こし、左右どちらか一方のみに症状が現れるているのです。
なお、痛みが顔の両側に生じる場合は、他の病気の可能性が高くなります。
痛みは、洗顔、歯磨き、髭剃り、咀嚼、会話、風にあたるなど、顔面の動作や軽い刺激によっても誘発されることがあります。
そのため、日常生活において食事や会話すら困難になるケースもあり、顔に触れることすら恐怖に感じるようになるでしょう。
注意点として、歯や歯肉にも痛みが生じる場合があり、歯の問題と誤解して歯科治療を誤って受けてしまうことがあります。
激しい痛みが繰り返される場合は、自分では判断せず、ペインクリニックなどの専門の機関に、症状から判断してもらうとよいでしょう。
三叉神経痛の原因の種類
三叉神経痛の原因は、いくつかの種類に分けられます。
三叉神経痛全体の約90%が血管圧迫によるものです。
他には、腫瘍(類上皮腫や神経鞘腫、髄膜種など)が圧迫を引き起こす場合もあり、こちらは全体の約8%を占めます。
また、脳動静脈奇形と呼ばれる血管の奇形が原因となることもありますが、これは稀で約0.5%のケースです。
- 特発性三叉神経痛
特発性三叉神経痛は、主に脳に原因があるとされています。
具体的な原因が特定されないことも多いですが、脳の構造や神経の変化が影響していると考えられています。
- 症候性三叉神経痛
血管などによって三叉神経が圧迫されて起こります。
脳神経外科的な治療で血管の位置を修正する手術やクッション材の挿入によって痛みを軽減できる場合がありますが、必ずしも効果が現れるとは限りません。
- 帯状疱疹後三叉神経痛
帯状疱疹が三叉神経に影響を及ぼすことで発症するタイプの神経痛です。
帯状疱疹の湿疹が治まった後でも、顔面に焼けつくような痛みやかゆみが持続し、患者様に強い苦痛を与える場合があります。
三叉神経痛が起こる主な原因
三叉神経痛の主な原因は、神経への血管の圧迫です。
通常、三叉神経は軽い刺激で痛みを感じないようにコーティングされていますが、脳幹部(橋)に入り込む付近ではこのコーティングが不十分な部分があり、ここが圧迫や刺激に弱いとされています。
中でも、加齢により血管が蛇行しやすくなり、動脈が三叉神経に接触したり圧迫したりすることで痛みが引き起こされます。
神経と血管が近接する頭蓋骨内は狭く、多くの血管や神経が通っているため、三叉神経と血管が接触しやすく、場合によっては神経に食い込んでしまうのです。
この圧迫が加齢と共に強まると、三叉神経痛の発症リスクが高まり、症状も進行していく傾向があります。
三叉神経痛の治療なら中村AJペインクリニックへ
中村AJペインクリニックでは、三叉神経痛でお悩みの方に対して、問診でお話をじっくりうかがっております。
三叉神経痛は、顔の見た目には症状が現れず、手足の麻痺や言語障害も伴わないため、診断には患者様の痛みの特徴や発生するタイミングなど、詳しいお話を丁寧に伺うことが重要となってきます。
中村AJペインクリニックでは、三叉神経痛に対して高い効果を持つ「ブロック注射」による治療をおすすめしています。
三叉神経周囲に局所麻酔薬や神経破壊薬を注射し、神経伝達を遮断して痛みが脳に到達するのを防ぐ方法です。
即効性があり、90%以上の患者様で痛みの軽減が見られるため、多くの方におすすめできる治療法です。
保険診療で、痛みや炎症を抑える効果が高く、興奮して過敏になっている神経を落ち着かせて過敏になった神経が繰り返し痛みを生じさせないよう抑制に導いてくれるでしょう。
他にも、症状の原因を探るために必要に応じて血液検査でウイルス抗体の有無を調べ、帯状疱疹などの関連する疾患の可能性も確認しています。
さらに、神経痛に効果のある薬物療法なども行っています。
症状が強い場合などには、脳外科におけるガンマナイフ、手術療法も国立病院の脳外科医への紹介などもしております。
三叉神経痛は、繰り返しのダメージによって神経が破壊されるリスクがあります。
痛みが気になり始めたら、早めに受診し適切な治療を受けることで、長期的な神経の健康を保っていきましょう。
まとめ
三叉神経痛は、その原因や症状に応じて適切な治療が求められる神経痛です。
特にブロック注射や薬物療法など、症状を和らげるための専門的なアプローチが必要になってくるでしょう。
痛みが進行する前に早めに適切な治療を受けることが、症状改善への近道です。
三叉神経痛の痛みにお悩みの方は、中村AJペインクリニックへお気軽にご相談ください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医