神経ブロック注射で肩こりを改善するには
神経ブロック注射は肩こりの治療の一つの選択肢となる場合があります。
適切な神経や筋肉に注射することで、痛みや緊張を軽減することができます。
また、肩こりの原因となる疾患の治療にも使われます。
ただし、個人差があり、一概には言えませんので、医師と相談することが大切です。
ブロック注射で肩こりを治すメリット
治療のためのブロック注射は次のようなメリットを持っています。
痛み緩和
ブロック注射は痛みを抑える薬剤を直接関連する神経または筋肉に注入することで、痛みを減らすことができ、早期回復につながります。
ブロック注射は薬物を服用することなく痛みを緩和することができるため、薬物に対するアレルギーや副作用の心配がないというメリットがあります。
長期的な効果
一部のブロック注射は、短期的な効果だけでなく、数週間から数ヶ月間、痛みを減らす効果を持続することがあります。
運動能力向上
肩こりの痛みを抑制することで、肩周りの運動や運動量が増加することがあり、運動能力の向上に役立つことがあります。
手術回避
肩こりの治療において、ブロック注射は手術を回避することができる場合もあります。
接種から帰宅まで迅速
神経ブロック注射の施術時間は、病状や注射する部位などによって異なりますが、肩であれば一般的には数十分程で終了します。
神経ブロック注射後にすぐに帰宅することは可能ですが、注射後の薬剤の効果や、合併症などを確認するために、施術後は少しの時間待機することが推奨されています。
神経ブロック注射とは
神経ブロック注射とは、痛みを引き起こしている神経をブロックすることで、痛みを抑える手法です。
この手法は、痛みを伴う疾患、外傷、手術後の痛みなどに対して用いられます。
痛みを抑える薬剤を直接痛みを引き起こしている神経に注入することで行います。
これにより、痛みの信号が神経から脳まで伝わらなくなり、痛みを抑える効果があります。
肩こりに効果的なブロック注射
神経ブロック注射には、様々な種類があります。
その中で肩こりに効果的なブロック注射について説明します。
肩甲上神経ブロック注射
肩甲骨下にある神経をターゲットにして、薬剤を注入することで、痛みの緩和や筋肉のリラックスを促します。
施術は、肩甲骨下にある神経を直接見えるようにするために、超音波指導やX線指導などの技術を使って行われます。
薬剤は、一般的に麻酔薬や抗炎症薬などを含んだものが使用されます。
手術室で行われますが、通常は短時間で終了します。
効果の持続時間は、薬剤の種類や量、患者個人の反応などによって異なりますが、通常数週間から数ヶ月まで持続することがあります。
検査方法
肩のブロック注射の検査方法は、通常は超音波やX線検査を用いて行われます。
これらの検査により、注射する肩の部位を正確に決定し、ブロックの注入位置を特定することができます。
また、硬膜外ブロックの場合には、詳細なイメージング検査を行うことが望ましいとされています。
これらの検査によって、硬膜外内に投与する薬剤が正確に届けられることが確認されます。
ブロック注射は医師の指示に従って行われる必要がありますので、医師に詳細な情報を伝え、意見を聞くのが大切です。
肩こりとは
肩こりは、肩周囲の疲れや緊張が原因で起こる痛みまたは不快感を指します。
肩こりは、痛み、肩の固さ、運動制限などの症状が伴います。
肩こりは様々な方法で治療することができますが、適切な治療は医師に相談することが重要です。
肩こりの原因
肩こりは、多くの原因が考えられます。
以下にいくつかの原因を紹介します。
・姿勢不良:長時間の座りっぱなし、テレビやコンピューターの画面を見る際に不適切な姿勢を取ることが原因となることがあります。
・過度の運動:過度に運動をすることで、肩や首の筋肉が疲れて痛みを引き起こすことがあります。
・ストレス:ストレスや緊張感が長期に続くと、肩や首の筋肉が緊張し、痛みを引き起こすことがあります。
・腰痛:腰の痛みがある場合、それが肩にまで影響を与え、肩こりを引き起こすことがあります。
・肩関節の疾患:肩関節の疾患(肩関節炎や腱鞘炎など)が原因となることもあります。
・肩甲骨の不調:肩甲骨(クロス)の不調が原因となることもあります。
・生活習慣:長時間のスマートフォンやタブレットの使用、ベッドの不適切なサポートなどの生活習慣が原因となることもあります。
これらは肩こりの原因の一部であり、他にも多くの原因が考えられます。
問題が深刻な場合は、医師に相談することが大切です。
医師は原因を特定し、適切な治療方法を提案することができます。
肩こりの治療法
肩こりの治療法は様々ですが、以下が一般的なものです。
1.マッサージやストレッチ:肩周りの筋肉を柔らかくすることで痛みを緩和することができます。
2.痛み止め薬:頭痛や肩こりに効く痛み止め薬を服用することができます。
3.鍼灸やマイソール:肩周りの筋肉の緊張を緩和することで痛みを治療することができます。
4.適切な運動:肩周りの筋肉を強くすることで痛みを緩和することができます。
5.リハビリテーション:スペシャリストによる指導に従って、肩周りの筋肉を強くするためのエクササイズを行うことができます。
治療法は個人差がありますので、正確な治療法を特定するためには医師の診断が必要です。また、肩こりは治療には時間がかかることがありますし、効果が不十分であることもあります。
このような場合に、ブロック注射は有効な選択肢となり得ます。
ブロック注射は、痛みを伴う神経根や脊髄を遮断することで、痛みや不快感を減少させることができます。
さらに、ブロック注射は、他の治療法と比較して手術やリハビリテーションに比べて、短期的な効果が期待できます。
最後に
色々な改善方法をお伝えしてきましたが、ブロック注射は簡単で安全、短時間で施術が行えたり、すぐに効果を実感できます。
最終的な決定は、医師とのコミュニケーションを通じて行ってください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医