帯状疱疹のワクチンを受けるときの金額はどのくらい?帯状疱疹の治療にブロック注射が効果的な理由とは
帯状疱疹は、過去に感染した水痘のウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下した時に発症する感染症です。
皮膚に痛みを伴った発疹が帯状に出現し、50歳以上の約2割の方に帯状疱疹後神経痛と言われる合併症が残り、長い間痛みが続きます。
日本人は80歳までに3人に1人が発症するといわれていて、予防するためには帯状疱疹ワクチンを接種することが有効です。
今回の記事では、帯状疱疹ワクチンについて、金額やワクチンの種類、接種場所などについて解説します。
また、いざ帯状疱疹に罹ってしまった時にどうすればよいかについても併せて解説しますので参考にしてください。
帯状疱疹ワクチンとは
帯状疱疹ワクチンは、
- 乾燥弱毒性水痘ワクチン(生ワクチン)
- 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)
の2種類があります。
また、全員必ず接種する定期予防接種ではなく、受けたい方が接種する「任意予防接種」となりますので、ご自身で医療機関への予約をすることが必要です。
生ワクチン
50歳以上を対象に、乾燥弱毒性水痘ワクチンを1回皮下注射します。
生ワクチンの予防効果は、接種後1年目が約60%で、年々効果は減少し、有効期間である約5年間で約50%まで減少します。(厚生労働省HP参照)
生ワクチンは、妊娠中や免疫不全の方、免疫抑制を起こす治療中の方(ステロイドなど)方には接種できません。
不活化ワクチン
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳〜49歳と50歳以上全員を対象に、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンを2か月間をおいて2回筋肉注射します。
不活化ワクチンの予防効果は、接種後1年目で約97%、その後減少していき、有効期間である約10年後で約70%となっています。
数値からも分かるように、不活化ワクチンは生ワクチンより高い効果があり、さらに免疫不全の方にも接種いただけます。
帯状疱疹ワクチンの金額
ワクチンの金額は接種する病院によっても変わりますが、一般的には以下のようになっており、予防効果が高い不活化ワクチンの方が高いです。
ワクチンの種類 | 金額と接種回数 |
---|---|
生ワクチン | 約8,000円×1回接種 |
不活化ワクチン | 約20,000円×2回接種=合計約40,000円 |
自治体によっては助成金が出る場合も
各自治体によっては、半額程度の助成金が出ることもありますのでご自身のお住いの情報を確認してみてください。
大阪府では、残念ながら現時点では助成金のある自治体はありません。
帯状疱疹ワクチンの接種場所
内科や皮膚科、総合病院等でワクチン接種が可能です。
全ての病院で取り扱っているわけではありませんし、取り扱っている病院でも常にワクチンが準備されているのではありません。
接種をご希望の際は、必ず病院クリニックに電話確認をしてから受診されることをおすすめします。
帯状疱疹や水疱瘡にかかったことがある人も受けられる?
以前に水疱瘡や帯状疱疹に罹ったことがある方でも、帯状疱疹ワクチンを接種することは可能です。
ただし帯状疱疹の症状がある方は、症状が軽減するまでワクチンの接種を避けたほうがよいので、担当医にご相談ください。
帯状疱疹の治療
では、帯状疱疹にかかってしまった時の治療法について説明します。
帯状疱疹は、抗ウイルス薬の全身投与を出来るだけ早期に開始することが大切です。
皮膚の発疹に対しては、抗炎症薬や細菌二次感染を防ぐための化膿疾患外用薬などで対応します。
痛みを放置していると合併症である帯状疱疹後神経痛を起こす可能性があります。
神経の痛みに対しては、ブロック注射が非常に有効ですので、合併症のリスクをできるだけ減らすために神経ブロック注射を受けられるペインクリニックを受診してください。
帯状疱疹にブロック注射が有効な理由
帯状疱疹は、皮膚の表面だけでなく神経にもダメージを与える病気です。
神経へのダメージが蓄積することで、神経が正常な働きをすることができず合併症である帯状疱疹後神経痛を発症してしまいます。
ブロック注射は神経のダメージを緩和させ、血流を良くして神経の働きを回復させる作用を持つため、神経の回復だけでなく、帯状疱疹の症状改善に役立ちます。
ブロック注射について詳しくはこちらもご覧ください。
帯状疱疹の治療症例を紹介
中村AJペインクリニックでの帯状疱疹治療例をご紹介します。
ブロック注射を使用した治療の経過を、写真を交えてお伝えします。
最初に、治療から4カ月後の状態です。
この段階では、皮疹や赤みがまだ見られます。
次に、治療から5カ月後の様子です。皮膚の盛り上がりがさらに減り、回復が進んでいるのが分かります。
そして、7カ月後には、皮疹が完全に消え、症状も消失しています。
痛みも消え、皮膚は順調に回復し、ごくわずかな色素沈着だけが残る状態です。
ブロック注射は、神経痛の軽減に効果的で、帯状疱疹後の神経痛の予防と緩和に大いに役立つことが明らかになっています。
帯状疱疹ワクチンで予防しましょう
帯状疱疹は、加齢やストレスなどで免疫力が低下することで、50歳以上で急激に発症率が高くなり、80歳までに3人に一人が発症するといわれている病気です。
皮膚の発疹だけでなく、神経でのダメージからくる神経痛も生じることもあり、合併症として帯状疱疹後神経痛を起こすと、長い間、神経痛に苦しむことになります。
帯状疱疹ワクチンは保険適用ではなく、特に予防効果の高い不活化ワクチンは40,000円前後と金額も高いですが、任意接種のために自身で病院に予約を取って接種しなければならないので面倒に感じるかもしれませんが、ワクチン接種することで帯状疱疹を予防することができます。
帯状疱疹にかかってしまった時は、ブロック注射を選択することができるペインクリニックへの受診をおすすめします。
中村AJペインクリニックは、ブロック注射の圧倒的な症例数を誇る院長が、患者様の痛みについて丁寧にカウンセリングをしたうえで施術を行いますので、帯状疱疹の症状に対しても安心して治療を受けていただけます。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医