お腹にも帯状疱疹ができる?主な症状や症例画像、治療方法まで解説
帯状疱疹の発症部位は、お腹や脇腹や顔や背中や足などです。
初期症状では体の左右どちらかに違和感や痛みがあらわれますが、痛みの度合いには個人差があります。
しかし、症状が進行するにつれ痛みが悪化しやすいため、軽度の帯状疱疹でも極力早く医療機関を受診しましょう。
本記事では、帯状疱疹の主な症状や症例画像、帯状疱疹ができているときにしてはいけないことなどを解説しています。
お腹に帯状疱疹のような発疹ができている方は、ぜひ参考にしてみてください。
大阪で帯状疱疹の治療を検討している方には、神経ブロック注射に対応している中村AJペインクリニックがおすすめです。
神経ブロック注射は痛みの緩和や帯状疱疹後神経痛の予防に役立つため、気になる方はぜひ気軽にご相談ください。
主な帯状疱疹の症状
帯状疱疹の原因は幼い頃にかかった水疱瘡ウイルスで、加齢やストレスや過労などで免疫力が低下すると発症します。
帯状疱疹の主な症状は、次のとおりです。
- 初期症状として皮膚に違和感や赤み・かゆみ・痛みがあらわれる
- 水ぶくれや紅斑が出現し、全身症状があらわれるケースもある
帯状疱疹の痛みには個人差が大きく、人によってはまったく痛みを感じないケースもあります。
しかし、症状が悪化すると神経痛のような後遺症が残ることもあるため、痛みの有無に関係なく早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
首や顔に発症した帯状疱疹は失明や顔面麻痺や難聴などを引き起こす恐れもあり、とくに注意が必要です。
帯状疱疹は基本的にうつらない病気ですが、水疱瘡ウイルスに感染したことがない人が発疹に直接触ると、水疱瘡を発症する恐れがあります。
子供や赤ちゃんと一緒に生活している場合は、発疹を触った手で接触しないよう十分注意が必要です。
帯状疱疹の症状について、詳しく解説します。
初期症状として皮膚に違和感や赤み・かゆみ・痛みがあらわれる
帯状疱疹の初期症状では、顔や体の左右どちらかの皮膚に違和感や赤み・かゆみ・痛みがあらわれ、帯状の湿疹ができます。
ピリピリとした神経痛があらわれるケースが一般的ですが、痛みを感じない場合もあるため一概には言えません。
帯状疱疹の重症化を防ぐためには、早期発見・早期治療が大切です。
症状の度合いに関わらず、極力早く医療機関を受診して治療を受けましょう。
水ぶくれや紅斑が出現し、全身症状があらわれるケースもある
帯状疱疹を発症し、数日から1週間ほど痛みが続いたあとは、紅斑という赤い斑点があらわれます。
小さくプツプツとした水ぶくれも多発し、水ぶくれの中央にはくぼみが見られる点が特徴です。
水ぶくれは1週間ほどで自然に破れ、2週間ほどでかさぶたになります。
かさぶたは1週間ほどで自然と剥がれるため、無理に剥がさないようにしましょう。
帯状疱疹はお腹や脇腹にもあらわれる
帯状疱疹は体の左右どちらかの神経に沿って帯状にあらわれるため、お腹や脇腹に発症する場合もあります。
上半身に帯状疱疹を発症するケースは多く、上肢〜胸背部の発症割合は30%ほど、腹背部は20%ほどです。
部位ごとの帯状疱疹発症割合を、次にまとめました。
部位 | 発症の割合 |
---|---|
頭部~顔面 | 17.5% |
頸部~上肢 | 14.5% |
上肢~胸背部 | 31.2% |
腹背部 | 19.6% |
腰臀部~下肢 | 17.2% |
脇の下は神経が密集しているため帯状疱疹ができやすく、痛みやかゆみなどの症状も強く出る傾向にあります。
症状が強く出る原因は、脇の下は感覚神経が豊富で痛みやかゆみを感じやすいからです。
腰やお腹に帯状疱疹を発症すると、便秘になったり尿が出にくくなったりすることもあります。
腹部にあらわれる帯状疱疹の症例画像
次の画像は、お腹に帯状疱疹を発症した症例です。
紅斑の色が濃く、水ぶくれも多数できていることが確認できます。
このような症状があらわれたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
脇腹にあらわれる帯状疱疹の症例画像
続いては、脇腹に帯状疱疹を発症した症例画像です。
紅斑の色が薄く、水ぶくれもあまり目立っていません。
しかし、放置すると症状が悪化する危険性があるため、上記のような軽度の症状でも必ず医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹が重症化した際にも腹痛があらわれることもある
帯状疱疹が重症化した際に、激しい腹痛があらわれるケースがあります。
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病初期には特徴的な皮疹が出現せず、水痘とは気付かれずに経過する症例が存在する。
そのような症例で、しばしば認められる初発症状は激しい腹痛あるいは腰背部痛である。
引用:国立感染症研究所『免疫不全宿主の重症水痘―原因不明の激しい腹痛・腰背部痛には要注意』
帯状疱疹で激しい腹痛があらわれる場合、初期症状で発疹が出ないケースが多いため、とくに注意が必要です。
発疹があらわれて帯状疱疹だと気づいた段階では、多臓器不全や播種性血管内凝固症候群を合併しており、治療を行っても改善に向かわない場合もあります。
帯状疱疹が重症化した際に激しい腹痛があらわれる原因は、解明されていません。
しかし、腹腔神経節周辺の感染や炎症により、神経病変をきたすことによる痛みだとも考えられています。
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症例は60歳、女性。右下腹部痛と腰背部痛が出現し、腹部エコーとCT検査で腸炎が疑われ、内服治療を受けたが軽快しなかった。
引用:日本ペインクリニック学会誌 Vol.8 No.4, 2001『帯状疱疹の経過中に急性腸炎症状を呈 した1症 例』
治療を受けても治らない腹痛があった場合は、帯状疱疹を疑ってみましょう。
帯状疱疹の改善に効果的な治療方法
帯状疱疹の改善に効果的な治療方法は、次のとおりです。
- 投薬による治療で痛みを軽減する
- 予防接種によってウイルスへの抵抗力を高める
帯状疱疹を改善するためには、抗ウイルス治療に加えて免疫力の回復も重要です。
再発率も6%ほどあるため、帯状疱疹を繰り返さないために予防接種もきちんと行いましょう。
帯状疱疹の治療方法について、詳しく解説します。
投薬による治療で痛みを軽減する
帯状疱疹の治療では、抗ウイルス薬と必要に応じて鎮痛薬の投与、外用薬の処方を行います。
重症度によっては入院が必要になるケースもあるため、帯状疱疹を発症したら極力早く治療を受けましょう。
帯状疱疹のつらい痛みの緩和や帯状疱疹後神経痛の予防には、神経ブロック注射が効果的です。
痛みがある場合は、早い段階で神経ブロック注射を検討しましょう。
注意点として、自己判断で抗生物質や軟膏を使用してはいけません。かえって症状が悪化する恐れがあるため、必ず医療機関で適切な治療を受けましょう。
予防接種によってウイルスへの抵抗力を高める
帯状疱疹の発症や再発を予防するためには、予防接種によりウイルスへの抵抗力を高めることが大切です。
50歳以上の方は帯状疱疹の発症リスクが上がるため、予防接種で免疫を強化しましょう。
帯状疱疹の予防接種は弱毒水痘生ワクチンとシングリックスの2種類で、それぞれの違いは次のとおりです。
予防接種 | 接種回数 | 副反応 | 料金 |
---|---|---|---|
弱毒水痘生ワクチン | 1回 | 少ない | シングリックスより安い |
シングリックス | 2ヶ月間隔で2回 | 多い(筋肉痛、腫れ、倦怠感など) | 高額 |
弱毒水痘生ワクチンの方がお手軽に思えますが、妊娠中の方や免疫抑制剤を使用している方は接種できない点に注意が必要です。
予防効果や効果の持続期間もシングリックスの方が優れているため、医療機関でしっかりと相談してどちらを接種するか決めましょう。
なお、いずれの予防接種も自治体により助成があります。
帯状疱疹ができているときにやってはいけないこと
帯状疱疹を発症しているときにしてはいけないことは、次のとおりです。
- 睡眠不足、不規則な食生活、ストレスの蓄積など免疫を低下させる生活を送る
- 症状があらわれている部位を冷やす
- 帯状疱疹の水ぶくれを潰す
- 帯状疱疹が顔にできているときにコンタクトレンズを使用する
- 発疹を触った手で水疱瘡にかかった経験がない人と接触する、タオルを使い回す
上記を守らないと、症状が悪化したり水疱瘡をうつしたりする恐れがあるため、十分注意が必要です。
帯状疱疹ができているときにしてはいけないことについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
帯状疱疹の痛みを和らげるにはブロック注射がおすすめ
帯状疱疹のつらい痛みを和らげるには、神経ブロック注射がおすすめです。
-
主に内服薬による治療を行いますが、痛みが激しい場合には、痛みの治療を専門とするペインクリニックなどで、「神経ブロック」という神経の周りに局所麻酔を直接注射する治療を行なうこともあります。
引用:済生会『状疱疹 (たいじょうほうしん)とは』
神経ブロック注射には神経の痛みの緩和・血流回復作用があり、神経と皮膚の症状改善に役立ちます。
帯状疱疹による神経ダメージの蓄積を抑制できるため、帯状疱疹後神経痛の予防にも効果的です。
神経ブロック注射は、顔を含め全身すべての部位に注射できます。
帯状疱疹の痛みがひどい方や、帯状疱疹後神経痛を発症しないか不安な方は、ぜひ検討してみてください。
中村AJペインクリニックは部位別に最適な神経ブロック注射の提案が可能
中村AJペインクリニックでは、治療部位ごとに最適な神経ブロック注射を提案可能です。
神経ブロック注射は、治療する神経によってブロック注射の種類や部位、薬剤の種類や量が異なります。
帯状疱疹の状態や注射部位をきちんと見極めるために、カウンセリングを重視している点も中村AJペインクリニックの特長です。
施術件数は20万件を超えていますし、神経ブロック注射を行う医師は経験豊富なため、安心して治療を受けられます。
中村AJペインクリニックは神経ブロック注射の待ち時間が短く、施術後すぐに帰宅可能です。
日々忙しくなかなか医療機関を受診する時間がない方も、ぜひ気軽にご相談ください。
神経ブロック注射の痛みや施術頻度などについては、次の動画で解説しています。
中村AJペインクリニックの治療症例
中村AJペインクリニックにおける帯状疱疹の治療事例をご紹介します。
当クリニックでは、ブロック注射を用いて治療を行い、その効果を写真とともに記録しました。
まずは、治療開始から4カ月が経過した時点の写真です。
この時点では、まだ皮疹や赤みが残っていますが、徐々に改善が見られます。
次に、5カ月目の写真をご覧ください。皮膚の隆起が少しずつ平らになり、治癒が進行している様子が分かります。
そして、治療開始から7カ月後の状態です。皮疹は完全に消え、痛みもなくなり、症状はすっかり治まっています。
痛みは完全に消え、肌の回復も順調で、ごくわずかな色素沈着が残るのみとなりました。
ブロック注射は、神経痛のコントロールに非常に有効であり、帯状疱疹後の神経痛を予防し、症状を和らげる効果が高いことが確認されています。
まとめ
帯状疱疹は、お腹や脇腹に発症する場合もあります。
腰やお腹に帯状疱疹ができると、便秘になったり尿が出にくくなったりすることもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹の改善に効果的な治療方法は、投薬と予防接種です。
帯状疱疹の痛みが激しい方や帯状疱疹後神経痛を予防したい方は、神経ブロック注射も検討してみましょう。
大阪で神経ブロック注射に対応する医療機関をお探しの方には、中村AJペインクリニックがおすすめです。
治療部位ごとに最適な神経ブロック注射を提案可能ですし、注射を行う医師は経験豊富で安心して治療を受けられます。
クリニックは御堂筋線・長堀鶴見緑地線の心斎橋駅より徒歩1分で、通いやすさも申し分ありません。地下道からすぐクリニックにアクセス可能で、雨の日でもストレスなく来院していただけます。
神経ブロック注射に対応しており通いやすいクリニックをお探しの方は、ぜひ気軽にご相談ください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医