帯状疱疹の初期症状とは?湿疹との違いや帯状疱疹の時にやってはいけないことを解説します
帯状疱疹とは、子供の頃にかかった水ぼうそうが原因で神経に沿った帯状の湿疹が出現する病気です。
帯状疱疹は症状が長引くと神経にダメージが蓄積し、発症部位によっては角膜炎や顔面神経麻痺などの合併症や、「帯状疱疹後神経痛」といった強い痛みに悩まされる後遺症が起こる可能性があります。
帯状疱疹を重症化させないためには、なるべく早く発見して適切な治療を受けることが大切ですので、今回は帯状疱疹を見分けるための特徴や湿疹との違いについて解説します。
また、帯状疱疹の痛みや帯状疱疹後神経痛に悩んでいる方には、神経の痛みを緩和させるとともに血流を改善し神経と皮膚症状の回復が期待できる「ブロック注射」がおすすめです。
中村AJペインクリニックでは、帯状疱疹の発症部位や状態を慎重に見極め、適切なブロック注射を選択しておりますので、痛みにお悩みの方はぜひご相談ください。
帯状疱疹の初期症状とは
帯状疱疹とはその名の通り帯状に小さい水ぶくれが集まった炎症性の皮膚疾患を指します。
幼少期に水ぼうそうにかかった経験があれば誰でも発症する可能性があり、発症すると強い神経痛と多数の水ぶくれを伴うことが多いため日常生活に支障が出ることも珍しくありません。
帯状疱疹の重症化を防ぐためには、早期発見と早期治療が最も重要ですので、ここで帯状疱疹の原因と初期症状についてくわしくみていきましょう。
帯状疱疹の原因とメカニズム
帯状疱疹の原因は、「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」というウイルスです。
このウイルスに初めて感染すると「水ぼうそう」を発症しますが、水ぼうそうが治ってもウイルスは神経細胞と神経繊維が集まったこぶ状の太い部分である神経節に潜伏しています。
ウイルスは通常悪影響を及ぼすことはありませんが、以下のような誘因で再活性化して神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮細胞でさらに増殖して神経の走行に沿って帯状に赤いブツブツや水ぶくれが出現するというのが帯状疱疹のメカニズムです。
- 免疫力の低下
- 加齢
- 疲れやストレス
- 手術や放射線照射による侵襲
帯状疱疹は水疱瘡にかかった経験があれば誰でも発症する可能性がありますが、他人からうつる事はありません。
帯状疱疹の初期症状は痛みと赤み
帯状疱疹の初期症状は、神経が分布している身体の左右どちらかの一部分にピリピリとした神経痛や知覚異常が出現し、かゆみを伴うこともあります。
痛みが出ないケースもありますが、多くの場合は数日から1週間程度痛みが続いた後、「紅斑」という赤い斑点が現れてから小さなプツプツとした水ぶくれが多発し、水ぶくれの中央にはくぼみが見られるという特徴があります。
水ぶくれは初期段階では透明ですが、数日で黄色い膿が目立つようになり1週間程度で自然にやぶれ、2週間程度でかさぶたとなりその後さらに1週間程度かけてかさぶたが脱落して治っていきます。
発熱やリンパ節腫脹を併発するケース
帯状疱疹はピリピリとした神経痛と帯状の紅斑に伴う水ぶくれが特徴のため、ほかの湿疹との区別がつきやすいと言えます。
さらに帯状疱疹の特徴として、紅斑の出現と同時期に軽い発熱やリンパ節腫脹や頭痛といった全身症状が出現する場合があります。
帯状疱疹は皮膚と神経に炎症が起こるためかなり強い痛みを感じることがあり、全身症状を併発すると眠れないほどの苦痛に悩まされるというケースがあるため、初期段階での適切な治療や痛みへの対処が必要になります。
帯状疱疹のときにやってはいけないこととは
身体の一部にピリピリした痛みを感じたり、赤みを伴う水ぶくれが多発した場合は帯状疱疹を疑ってなるべく早く医療機関を受診することが大切です。
そして帯状疱疹は症状の悪化を防ぐためにいくつかの注意点がありますので、水ぼうそうの経験がある方はしっかり覚えておくことをおすすめします。
睡眠不足や食事を抜くなど免疫が低下する生活習慣
免疫力の低下は帯状疱疹の症状を重症化させる最も大きな原因ですので、「睡眠不足や睡眠の質の低下」「不規則な食生活や食事内容の乱れ」「ストレスの蓄積」といった生活習慣の乱れはすぐに見直しましょう。
- 就寝と起床時間を一定にして規則正しい睡眠リズムを整え、入眠前は光や音の刺激を避けて中途覚醒を防ぎ睡眠の質を高める
- バランスの良い食事を心がけ、不規則な食事や暴飲暴食を控える
- ストレスを溜め込まないよう、運動や趣味に没頭する時間を作るなど自分に合ったストレス解消法を見つけてこまめに発散する
症状がある部位を冷やす
帯状疱疹の痛みは神経痛のため、冷やすとかえって知覚が敏感になり痛みが悪化しますので、風を当てたり保冷剤などで冷やすことは絶対にやめましょう。
神経痛に対しては、全身や症状のある部分を温めて血行を良くすることで痛みが軽くなるため、痛みがつらいときは入浴や温めたタオルを当てるなどで対処しましょう。
さらに、帯状疱疹の痛みにはブロック注射が有効ですので、帯状疱疹後神経痛の抑制のためにも早い段階でペインクリニックでのブロック注射を検討することをおすすめします。
水ぶくれをつぶす
帯状疱疹の水ぶくれは1週間程度で自壊することが多く、その後はかさぶたになって治っていきます。
水ぶくれが多発した状態は見た目にも気になりますが、自分で水ぶくれをつぶしてしまうと雑菌やほかのウイルスなどが入り込み別の感染症を引き起こすおそれがあります。
絶対につぶさず、つぶれてしまったら水で洗い流したあと軟膏を塗布して清潔なガーゼで覆うようにしましょう。
帯状疱疹は温めることで痛みが緩和されるため初期段階から入浴はおすすめできますが、水ぶくれをつぶさないように症状のある部位には、ボディタオルなどは使用せずボディソープをしっかり泡立て手で優しく撫でるように洗う程度がおすすめです。
顔に症状がある場合のコンタクトレンズの使用
帯状疱疹が顔に発症した場合、ウイルスが目に付着すると炎症を起こしやすくなります。
目の炎症があるときにコンタクトレンズを使用していると炎症の悪化や治癒の遅れをまねくおそれがあるため、帯状疱疹の症状とともに目の充血や痛みがある場合はコンタクトレンズの使用はやめて、医師の指示を仰ぎましょう。
幼い子供との接触には注意が必要
帯状疱疹は水痘ウイルスが原因のため、水ぼうそうにかかったことがない人に接触すると、ウイルス感染により水ぼうそうを発症する可能性があります。
そのため家族や周囲に水ぼうそうにかかった経験がない人や幼い子供がいる場合は、接触やタオルの使い回しは避けるようにしましょう。
しかし、帯状疱疹は水ぼうそうの既往がある人にうつることはないため、過剰に感染を心配する必要はありませんので周囲にも説明しておくと安心です。
帯状疱疹の痛みは中村AJペインクリニックに相談を
帯状疱疹は持続性の神経痛に悩まされ、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
症状を悪化させないためには早期発見と早期治療が重要ですので、違和感を感じたらできるだけ早く受診し適切な治療を受けましょう。
帯状疱疹は抗ウイルス薬の使用による治療とともに、ブロック注射の治療で痛みの緩和と皮膚症状の改善が期待できます。
中村AJペインクリニックでは顔を含めた全身の痛みに対応し、症状の部位の神経それぞれに適したブロック注射が受けられますので、痛みを我慢せずまずはお気軽にご相談ください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医