帯状疱疹後神経痛とは?症状や有効な治療法を解説
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚疾患であり、その合併症として帯状疱疹後神経痛が発生することがあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治癒した後も持続し、日常生活に支障が出るほどの痛みが生じる場合もあります。
このような痛みを緩和する方法としては、ブロック注射が有効です。
この記事では、帯状疱疹後神経痛の症状やブロック注射による治療について詳しく説明します。
中村AJペインクリニックでは、帯状疱疹後神経痛の痛みに対してブロック注射での治療を提供しています。
つらい痛みにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
帯状疱疹後神経痛とは
帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の皮膚症状が治癒した後も続く痛みのことです。
帯状疱疹の合併症としては、もっとも現れる頻度が高く、50代以上の帯状疱疹患者の約2割が発症すると言われています。
Hans Gustav Thyregod氏の”Natural History of Pain Following Herpes Zoster“(Pain. 2007 Mar; 128(1-2): 148–156.Published online 2006 Oct 27.)によれば、94名の被験者のうち30名が6ヵ月後で帯状疱疹後神経痛を発症しており、約30%の人が発症しているという報告もあります。
帯状疱疹の痛みについて
帯状疱疹の痛みには、3つの種類があります。
まず、皮膚の変化が見られる前に感じる痛みがあり、これを「前駆痛」と言います。
次に、皮膚に変化が出ている時に感じる痛みがあり、これを「急性帯状疱疹痛」と言います。
最後に、皮膚の変化が治っても痛みが続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と言います。
帯状疱疹後神経痛の原因と症状
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹ウイルスによる神経損傷とその後の炎症が原因で発生します。
このため、皮膚の症状が治癒した後も神経の損傷が残存し、痛みが持続するのです。
主な症状は持続的な痛みですが、痛みの特徴は個人差があります。
一般的には、「焼けるような痛み」、「ズキンズキンとする痛み」、「刺すような痛み」といった感覚が多く報告されています。
また、普通ならば痛みを感じないほどの軽い触れ方でも痛みが生じる「アロディニア」が発生することもあります。
帯状疱疹神経痛になりやすい方
Beth F Jungの”Risk factors for postherpetic neuralgia in patients with herpes zoster“(Neurology. 2004 May 11;62(9):1545-51. doi: 10.1212/01.wnl.0000123261.00004.29.)で帯状疱疹発症から72時間以内に登録された帯状疱疹患者965人をデータに以下のような条件が当てはまる人は、帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移行しやすくなる可能性があるとの発表がありました。
- 高齢の方
- 女性
- 皮膚の変化が出る前から痛みがある
- 帯状疱疹の初期症状が重い
よって、帯状疱疹が出た方は初期から痛みのケアをすることが大切です。
帯状疱疹後神経痛の治療法
帯状疱疹後神経痛では、痛みを緩和させながら神経の損傷を修復する治療が行われ、薬物療法や神経ブロック療法などが一般的に用いられます。
ただし、帯状疱疹後神経痛に対する絶対的な治療法は存在せず、患者の症状の程度や個別の状態に応じて、これらの治療法を組み合わせながら、個別に適切なアプローチで治療が行われます。
神経の損傷が回復するには長い時間がかかるため、痛みの完全な消失までには長期間の治療が必要です。
一般的には数か月で症状が軽減することが期待されますが、中には年単位で症状が持続する例も報告されています。
帯状疱疹後神経痛の治療にはブロック注射が有効
帯状疱疹後神経痛には、ブロック注射での治療が非常に有効です。
ブロック注射は、痛みが感じられる神経の近くに局所麻酔薬を注射する治療法で、痛みを引き起こす過度に興奮した神経を鎮め、痛みを軽減させる治療法です。
帯状疱疹後神経痛の場合、痛みを感じている部位にブロック注射を行うことで、痛みを一時的に遮断するだけでなく、患部の血流を改善する効果も期待できます。
このため、ブロック注射は神経と皮膚の双方の症状の緩和に対して効果的であると言えます。
また、ブロック注射の治療は患部に直接、局所麻酔薬を投与するため、即効性があり、内服薬などに比べて副作用がほとんどないのが大きな特徴です。
帯状疱疹後神経痛の痛みは中村AJペインクリニックへ
帯状疱疹後神経痛の治療でブロック注射を受けるなら、中村AJペインクリニックの受診をおすすめします。
帯状疱疹後神経痛の治療において、個人の状態や症状の程度を正確に把握し、それに基づいて適切な治療方針を立てることは極めて重要です。
治療において的確な判断を行うためには、医師の経験と専門的な技術が不可欠です。
中村AJペインクリニックでは、多くの症例に対応した経験豊富な医師が治療を担当しており、患者様の状態を適切に評価し、最適な治療方針を決定します。
当院では、患者様一人ひとりの状態を見極め、適切な薬剤の種類や量を選択することにより、治療の安全性と効果の高い治療を提供しています。
帯状疱疹後神経痛の強い痛みにお悩みの方は、ぜひ中村AJペインクリニックにご相談ください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医