トリガーポイント注射とブロック注射の違いについて
手術後や慢性疲労、神経痛など、身体の痛みがある人にたいして行う傷みを緩和する治療は様々あります。
その中でもブロック治療は代表的な治療法です。
今回は、そのブロック治療について紹介していきたいと思います。
身体の痛みに困っている方やブロック治療を検討している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
トリガーポイント注射と神経ブロック注射の違い
ブロック治療法の中でも、トリガーポイント注射と神経ブロック注射の違いは、このようになっています。
費用 | 検査 | 注射の深さ | |
トリガーポイント注射 | 1回分は安価(300円程度)だが、複数個所必要 | 無し 医師の触診のみ |
1cm程度 |
神経ブロック注射 | 2000~3000円前後 | 必要な場合はMRI検査など行う | 種類によって2~8cmと様々 |
では、それぞれの注射について詳しく説明しましょう。
トリガーポイント注射
触診で圧痛点がある場所が筋緊張が強く局所的に循環不全を起こして硬くなっている場合が多く、これに可及的に薬剤を注射してほどいてあげる処置をトリガーポイントブロックといいます。
神経ブロック注射
痛みの原因となっている神経や神経の周りに、局所麻酔薬を投与します。
麻酔薬を注射し興奮して過敏になっている神経を落ち着かせることで、痛みの悪循環を断ち切る方法です。
神経ブロック注射では、痛みそのものを一時的に抑える目的とともに、興奮して過敏になっている神経を落ち着かせることで痛みの悪循環を断ち切る目的も重要になっています。
ブロック注射で神経を落ち着かせることで、血管や筋肉が収縮しなくなれば血行が保たれている状態になります。
それにより患部への酸素や栄養素の供給、老廃物の排出が行われるのです。
血行が改善されて患部の状態も良くなっていけば、根本治療につながる場合もあります。
神経ブロック注射は、打つ場所によって様々な種類の神経ブロック注射があり、幅広い痛みに対応します。
・仙骨部硬膜外ブロック注射
・腰部硬膜外ブロック注射
・仙腸関節ブロック注射
・肩甲上神経ブロック注射
・神経根ブロック注射
・星状神経節ブロック注射
また神経ブロック療法は、同時に診断的な部分でも活用される場合があります。
ブロック注射がよく効く場合、その神経領域に痛みの大きな要因があると考えられるというわけです。
自分にどのブロック注射があっている?
若い方から高齢の方まで、身体の痛みに悩んでいる方は様々です。
痛み軽減のためのブロック注射がお勧めな方はこんな人です。
◆飲み薬、貼り薬・塗り薬、電気治療、マッサージなどの治療では痛みが解消できない。
・根本治療に手術が必要だが、休みが取れない
・痛みが強く、日常生活に支障がある
◆手術後、痛みが残ってしまう。
◆肩こりや頭痛、顔面痛で悩んでいる。
さらに、それぞれの人にとって適切なブロック注射を選ぶためには、医師とのカウンセリングや検査を行って決めることが非常に大切になります。
一度受診して、痛みの程度や持っている病態、身体の動き方などをしっかりと「医師」に診てもらい、適切な種類のブロック注射を判断してもらいましょう。
中村AJペインクリニックでは、医師とのカウンセリングを重視しています。
身体の状態についての相談や検査結果、治療内容の説明も納得できるまで行っています。
痛みに困っている方はぜひ一度受診して相談してみてください。
記事監修医師プロフィール
中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医